明太子と辛子高菜を知りたい!明太子&高菜研究

明太子の親魚であるスケトウダラってどんな魚?

明太子の親魚のスケトウダラはどんな魚なのでしょうか?
スケトウダラの特徴や生息域、名称や食べ方などをご紹介します。

辛子明太子(以下明太子)について詳しく知るシリーズ「明太子の学校」。今回は「明太子の親魚であるスケトウダラってどんな魚?」です。

質問に答えてくれたのは、
スケトウダラ漁獲船に乗船経験のある、やまやで明太子の卵については右に出る人がいないスペシャリスト、土谷さんです。
土谷さん、どうぞよろしくお願いいたします!
みなさん、こんにちは!土谷です。
私は明太子の原料となる「たらこ」づくりをしています。

明太子の親魚、「スケトウダラ」について解説します!

1.スケトウダラの特徴

辛子明太子(以下明太子)の原料である卵の親魚はスケトウダラです。
スケトウダラは タラ目タラ科の魚で、タラ科の魚は背びれが3つあり、口先にも鼻孔にもヒゲがないことが特徴です。
同じタラ科の魚にはマダラやコマイがいますが、 スケトウダラとの区別の方法としてわかりやすい特徴は下あごが突き出ている点です。(※1)

"体はやせ形で、全長は 80 cm に達する。背びれは 3 基あり、2 基の臀びれはそれぞれ第 2 背びれ、第 3 背びれに相対する (Senou, 2008)。下顎の先端は上顎を越えて突き出る (Nakabo, 2000)。色彩は背面が緑褐色から褐色で、暗色斑がみられる (Cohen et al., 1990)"

引用:JAMSTEC | 国立研究開発法人 海洋研究開発機構 |BISMaL http://www.jamstec.go.jp/



■関連記事「明太子ってなんの卵?
明太子はスケトウダラの卵を原料として作られます。
明太子を作る時にもっともよい卵とは?詳しく解説しています。

2.スケトウダラの生息域

スケトウダラは水深100m~400mの比較的水深の深い海域 に住んでいる魚です。
生息域は北海道全沿岸、青森県~山口県の日本海沿岸、青森県~和歌山県白浜の太平洋沿岸、韓国元山~沿海州方、日本海北部からサハリンをへてオホーツク海、千島列島・カムチャッカ半島、ベーリング海、アラスカ湾からカリフォルニア中部沿岸などです 。(※1)

3.スケトウダラの読み方と漢字

消費者庁が定める魚介類の標準和名では「スケトウダラ」と明記されています。
また一般的な名称として「スケソウダラ」という呼名も使われており、どれも同じ魚を指しています。

漢字では魚へんに「底」で「鯳」と書きます。
ほかにも助惣鱈、助宗鱈、介党鱈など漢字を使うこともあります。
地方ではスケトウダラをスケソ、スケソダラ、ピン助などと呼んでいますよ。(※2)

4.日本や世界のスケトウダラの食べ方や加工方法

スケトウダラは漁獲されると卵巣はたらこや明太子として、残った身はすり身として魚肉ソーセージ、ちくわやかまぼこなどの練り物食品などに加工されます。

スケトウダラが水揚げされる北海道や東北地方では、冬場にはマダラなどと同様によく見かける魚です。
新鮮なものは刺身として、アラや身は鍋もの、みそ汁、煮つけなどに、また、精巣(白子)も煮物などで食べられています。

韓国ではスケトウダラは呼び方がたくさんある国民的魚です。
スケトウダラは身が柔らかくて鮮度落ちが速く、日持ちしない魚なので干物として加工されます。
韓国には凍らせて作るスケトウダラの干物の「ドンテ」、祭事料理やスープに使う干物の 「プォク」、煮つけなどに使う半生の「コダリ」などがあります。 (※3)

ヨーロッパ やアメリカでもスケトウダラの身は白身魚としてとても人気です。
アラスカ産のスケトウダラがアメリカの大手ハンバーガーチェーン店のフィッシュフライやサプリメントの原料として使用されています。 (※4、5、6)

5.やまやのおすすめスケトウダラレシピ

やまやのオススメのスケトウダラのレシピをご紹介します。

スケトウダラの身と明太子の二つを合わせた親子鍋。
うまだしを使ったスープにまろやかな豆乳を合わせた白味噌味。
スケトウダラと明太子のプチプチ感によく合います!

スケトウダラの臭みを取る調理法もご紹介しています。

明太子とスケトウダラを使った豆乳仕立ての親子鍋

■まとめ

明太子の親魚のスケトウダラは北方の海に生息するタラ科の魚です。
スケトウダラが水揚げされる地域では冬場によく出回る魚で、干物や煮つけ、鍋の具として人気です。

スケトウダラの身は 主にすり身やかまぼこなどに、卵巣はたらこや明太子として加工され、世界中の人々に余すことなく食されています。

参考文献:
※1 日本産魚類検索(全種の同定)第3版 2013/編者:中坊徹次
※2 消費者庁 魚介類の名称の ガイドライン
※3 韓国海洋水産庁公式ブログ「あなたは誰だ、スケトウダラの名前 」
https://blog.naver.com/koreamof/221758604753

※4 seafoodsource.com “Global market brightening for pollock”/By Cliff White Jan 23,2018
https://www.seafoodsource.com/news/supply-trade/global-market-brightening-for-pollock

※5 EUMOFA “The EU Fish market 2017Edition” 2017年11月
https://www.eumofa.eu/documents/20178/108446/The+EU+fish+market+2017.pdf

※6 MSC年次報告書2019年度 37P
人気ワード