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2020/11/20

【S・ランクン選手】 ”自分を信じて” ゴルフにかける熱い思いをインタビューしました

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2017年から2シーズン連続で中国ツアーの賞金女王に輝き、日本ツアー参戦1年目で出場した「ニッポンハムレディスクラシック」で初優勝を果たしたS・ランクン選手(タイ)。「微笑みの国」から昨年末、拠点を日本へと移し、今季から「やまや」とスポンサー契約を結びました。新型コロナウィルスによるツアーの中止や延期、練習場所の確保や生活環境などの問題にも対応しながら、キャディを務める父・スラットさんとともに異国の地での挑戦は続きます。S・ランクン選手へのインタビュー、日本のこと、タイのこと、そしてゴルフにかける熱い想いをお聞きしました。

日本の生活を楽しんでいます

 

―日本の生活には、慣れましたか?なにか不自由なことはありませんか?

 

S・ランクン:
日本の食べものは美味しいものばかりで楽しんでいます。大好物はカツ丼です(笑)
昨夜は、はじめて水炊きを食べたのですが、美味しかったです。ちなみに今日はとんこつラーメンを食べました。
スープも美味しいし、麺が細いのにもちもちで最高でした。

日本に来た当初は、たくさんあるメニューの何を食べたらいいのかわかりませんでしたが、
今はメニューの写真を見ればどんな味なのか想像できるようになりました。
食生活以外では、私はタイの暑い地域の出身なので日本の寒い冬にはまだなれることができませんね。
寒くて雨が降ったりすると体調管理が難しくて試合を棄権してしまったこともあります。
日本の気候に慣れて行くのも大切なトレーニングだと思っています。

 

―アスリートとして食生活で気にかけていることはありますか?

 

S・ランクン:
実は、体重が5キロ減った時期がありました。
現代のゴルフは、パワーゴルフが主流です。体重が落ちることはゴルファーにとってはマイナスです。
スイング感覚も狂ってきますし。

筋肉をつけ、飛距離を伸ばすことが大事な要素のひとつですが、
かといっていきなり筋肉を増やすと体のバランスが崩れるので、
少しずつ効果的にフィットネスを行い、筋力をあげて行くことが大切だと思います。
私のゴルフスタイルは、パワフルな攻めのゴルフです。そのスタイルをキープしていきたいと思っています。

 

 

やまやとのスポンサー契約

— 今年から、福岡に本社をおく「やまや」とスポンサー契約を結びましたね。

 

S・ランクン:
プロのアスリートにとっては、企業にスポンサーについていただくことはとても必要で嬉しいことです。
「やまや」さんには、経済的なサポートはもちろんですが、私のゴルファーとしての夢を理解していただいてすごく光栄だと思っています。
それに、私は明太子パスタが大好きです!

 

 

―今日は、「やまや」の山本社長にも同席いただいています。Sランクンさんとスポンサー契約を結ばれるきっかけはどのような経緯からでしょうか?

 

山本社長:
私自身もゴルフが好きで、バンコクにいる友人と食事をしていたときに、タイ出身の才能ある若いゴルファー、ランクンさんの話題になりました。
「やまや」は、フェンシングなどスポーツ事業の応援もしており、外国のスタッフも働いているので是非、
ランクンさんのような将来期待できるアスリートを応援したいと思ってサポートさせていただいています。
今後、「やまや」のビジネスもアジアをはじめ海外展開も視野に入れていますので、
ランクンさんと共に世界で活躍できる企業になって行きたいと思っています。

 

 

日本ツアー初優勝のこと

―昨年、日本4戦目にして「アクサレディスゴルフトーナメント」で2位タイ、そして「ニッポンハムレディスクラシック」で優勝されました。その時の勝因をどう分析されていますか?

 

S・ランクン:
昨年の来日間もない頃は、コンディションが万全でした。
ドライバーのフェアウェイキープ率も高く、飛距離も出ていました。
アイアンの距離もブレがなく安定していたと思います。
長いパットもよく入りましたし、なによりも自身のプレイに不安な気持ちが全くない状態でした。
よくいう「ゾーンに入っていた」という感じです。

 

 

— 日本での初優勝は、どんなお気持ちでしたか?

 

S・ランクン:
「優勝?やったー!ハッピー!」という気持ちでした。
コースの桂ゴルフ倶楽部は、タイやアメリカのコースに雰囲気が似ていて、
自分のフィーリングにあっている感じがしていました。
優勝したことより、シーズン後半のシード権を獲得できたことにほっとした気持ちが大きかったですね。

 

お父様とのこと

― ランクンさんのそばには、いつもお父様のスラッドさんがおられますね。

 

S・ランクン:
父は私のキャディであり、朝起きてから夜寝るまで私の全てをサポートしてくれるかけがえのない存在です。
食事の管理、トレーニング、スイングチェック、コーチ、運転手など全てです。
コースでは、距離の計算をするのは父、指示を受けてプレーするのは私です。
ただし、いつも喧嘩しています。(笑)
父と意見が違った時、私は自分の考えを優先しますが、結果的にミスになると父から怒られます。
それが悔しくてまた言い返すから怒られる、その繰り返し(笑)

 

―異国の地で、言いたいことが言える人がそばにいるのは心強いでしょう?

 

S・ランクン:
おっしゃる通りです。プレイ中の父との役割分担は、ティーグランドからグリーンに上がるまでは父の仕事。
ショートゲームとパターは得意なので、グリーン周りからは私の仕事として任せてもらっています。
ゴルフ以外では、「プロゴルファーとして様々な人に会う機会が多いので、どんな人にもちゃんと挨拶しなさい。どれだけ自分がイライラしていても周りをイライラさせるのは違うでしょ」と言われます。
父には、いつも感謝しています。

 

ゴルフのプレイについて

―得意なクラブはなんですか?

 

S・ランクン:
ユーティリティ4番と58度のウェッジです。
以前は、ドライバーが得意でしたが、昨年体重が減った頃からスイングが変わってしまっているので今練習を重ねています。

―得意なクラブの技術をより強化する方法を教えてください。

 

S・ランクン:
私は、得意なクラブの前後のショットを安定させることに注意を注いでいます。
ドライバーで飛距離が出せないときは、3番ウッドでセカンドを打つ機会が多いので安定性を上げるように練習をしています。
ドライバーは飛距離を重視、3番ウッドはフェアウェイキープを重視して練習をしています。

 

 

ゲームに挑む精神力とは

―昨年のランクンさんのドライバーのヘッドカバーには、“I Believe I can Do It” という言葉が書かれていましたね。

 

S・ランクン:
自信を持つことで成功してきたので、”自分を信じて” という意味です。

試合中に消極的な気持ちになってしまう時に、今の自分の状態に勝たなければならないと念じ、強い気持ちになれるようにしています。
全てのクラブを抜き差しするときにその言葉が見えるので、そのときに「やるぞ!」という気持ちになります。

 

 

— 好きなゴルフプレイヤーはおられますか?

 

S・ランクン:
小さい頃から韓国のチェ・ナヨン選手が憧れの選手です。
ゴルフのプレースタイルも好きですし、彼女のファッションも好きです。

 

タイの若いプレイヤーへのメッセージ

— タイでもゴルフは人気のスポーツですね。プロゴルファーを夢見るタイの若いプレイヤーにメッセージをいただけますか?

 

S・ランクン:
日本や海外のゴルフ場とタイのゴルフ場とは、芝の種類やコースのレイアウト、ラフの状態、グリーンの起伏など全く違うので色んな場面を想定して練習を重ねる必要があります。
日本は、安全で生活しやすい素晴らしい国なので、是非日本のツアーに挑戦して欲しいと思います。

 

[今後の目標]

— 日本のツアー2勝目を目指している今の抱負を聞かせてください。

 

S・ランクン:
どんな大会でもすべてがパーフェクトじゃないと優勝できないと思うので、まずはドライバーの飛距離、ショットの精密度を上げて自分のゲームを取り戻しながら上を目指したいと思っています。

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